第17章 春高一次予選
警戒していた所へ思わぬ脱力系の奇襲。
「はあ?」
不機嫌を全面に押し出して訊ね返せばさっきと同じ言葉をもう一度発した。
「ちょっとゴメン意味が」
照「おねーさんそれワザと?」
ムスッと唇を尖らせ、拗ねた表情をする男の子。
「喧嘩に興味あんなら他当たってくれる?中坊に喧嘩とかダセェ真似するつもりねぇし」
照「ちげーよ!おねーさんと、友達になりてーの!さっきから言ってんじゃん」
どうせ今だけだろうと適当に頷き、名前と連絡先を教えてその場は収まった。
厄介だったのはその後から
朝昼晩、24時間問わずメールが送られてくるようになったのだ。
内容はいつも些細な事で『今日テストだ!』とか『俺バレー部なんだぜ』とか
一緒に遊んだことは無かったけど、喧嘩の場面に出くわすことは多かった気がする。そこで怪我すれば絆創膏くらいならくれた。
高校2年になってからは他所の奴らも分かってきたみたいで、喧嘩を売ってくることは無かったし、てるしーも高校生になったからか連絡してくることも少なくなった。
高2の秋には完全に連絡が途絶えた。
それからなんの接点もないまま月日が経ち、今日こうして久しぶりの再会を果たした。
「、、、という訳ですハイ。」
バスの中、座席の背もたれの上から皆してあたしをガン見して話を聞いていた。
縁「、、、あいつとは何も無いんだな?」
まるで浮気を問い詰められてるみたいな質問をされ、盛大に吹き出す。
「っ何かって、っふ、あるわけないじゃん!あんなのと、っはは」
その返事に何人かがほっと一息ついたらしいが放っておこう。