第17章 春高一次予選
美「、、、烏野の10番の子は、、、あの体格でどうしてあんなに決められるんでしょうか、、、?」
理解できないという顔で美加子先生?が声を上げた。
元「そりゃあブロックの上から打ってるからな」
美「えっ!?どんなにジャンプ力があっても、“高さ”では敵わないんじゃ、、、?」
まぁ、初めて見た人には分かんないか。
子「先生!翔ちゃんのあの速攻も1stテンポなんですかっ!?」
さっきまでやっちゃんと騒いでいた筈の烏養元監督の教え子達がやって来た。
テンポの話ならあたしも聞いた。
高く上げたトスに合わせて余裕を持って助走を始めるスパイクが、サード・テンポ
トスが上がるのと大体同時に助走を始めてトスに合わせて打つのが、セカンド・テンポ
スパイカーが先に助走に入って来てそこにトスを合わせるのが、ファースト・テンポ
子「皆が“速攻”って呼ぶやつ!」
元「“ブロックに勝つ”という事は“ブロックよりも高い打点から打つ”という事。
チビ太郎対2m。より先に“てっぺん”に到達した者が、勝者。」
ブロックの出遅れた相手に、勝つ術などない。
元「チビ太郎のアレは厳密にはファースト・テンポではない。
セッターがトスを上げる時点で、スパイカーの助走及び踏み切りが既に完了している状態。」
角川の9番くんを置き去りにし、翔陽が最後の1点をコートに沈めた。
第1セット終了 25(烏野)-22(角川)