第17章 春高一次予選
2セット目始まってからはまた烏野リードのまま点差をつけて試合が進んだ。
お隣ではやっちゃんが子供たちと一緒になってやんややんやと盛り上がっている。
大野屋「な!あの9番10番の1年コンビスゲーよな!」
元「おー」
あらま大野屋さんまで盛り上がってらっしゃる。
元「いやしかし、2・3年が予想以上、、、!」
派手な攻撃に目が行く中、指導者をしていた烏養元監督はもっと違う所を見ていたようだ。
憧れと現実のギャップに苦しんだ彼らの簡単に揺るがない強さ。それがプレーに表れていた。
23対13と10点差をつけられても相手の目はまだ死んでなくて、前を見据えていた。
綺麗なサーブトスから打たれたボールは相手選手の腕を弾き、コートの外へ落ちる。
__烏野のセットポイント
ホイッスルが鳴って一呼吸置いたあとに打たれたボールはレシーバーの腕を弾いてコートの外へとんだ。
1セット目の彼らならきっと追わなかったボール。
ボールはキャプテンの手で上げられ、自分はベンチに突っ込んでいるにも関わらず仲間に声を上げた。
十「ラスト繋げえええ!!!」
それに応えるようにカバーされたボールはネットに掛かって烏野コートに入りぎりぎり繋がった。
この試合中一番本気のラリーをした後
ラストは翔陽がコートに沈めた。
「初戦、突破だね。」
高音のホイッスルが試合が終わったことを告げた。