第17章 春高一次予選
ちょっと信じ難いけど隣のおじさんは言ってた。「かわいい孫のチームだもんな」って。
てことはホンモノ。ちかから話は聞いてたからとびっきり厳しい人ってことだけは知ってるんだけど、、、実物見るのは初めてでちょっとココ離れたい気分。
ちょっと脳内会議してる間にホイッスルが鳴って、旭の手によって上げられたボールは鈍い音を響かせ、誰の手に触れることもなく相手コートに打ち付けられた。
一本目からノータッチエース。
やっぱり、わくわくする。
と、ここでふと突き刺さらんばかりの視線を感じ右を見れば、、、
「お前烏野か?」
烏 養 元 監 督。
「そ、うですけど、、、。」
この人はどこか音駒の監督に似ていて苦手だ。人生の経験を得ている分、その鋭い目で何もかも見透かしているのではと思ってしまう。
烏養元監督(以下:元
「そうか。隣のもそうだな?」
「っはい。」
元「よし、じゃあお前ら、その金髪のねーちゃんのとこ行っとけ。」
はーい!と元気よく返事した子供たちはやっちゃんの両サイドにポジション取りし、あっという間に懐いた。
元「お前さんはこっちの話の方が向いてるんじゃないのか?」
意味ありげに笑う烏養元監督を見ると、やっぱりけーしんさんのお祖父さんなんだなって再確認した。