第16章 お肉争奪戦
ー朱莉ー
予定の時間をすっかりオーバーしてしまった。
まだ空は明るいけど帰ったらきっとお説教な気がしてならない。うー憂鬱。
目の前にもう見えているんだけどな、足が進まんよ。
ピリリリッ
普段ならないケータイがジャージのポケットでなり始めた。
画面に表示された名前は『縁下力』
あ、やべぇ。
荷物を肩に背負い直して残りの道を急いだ。
ガラッと体育館の扉を開ければ一気に集まる視線がグサグサと刺さる。そろそろ穴空くかも。
澤「随分と時間掛かったじゃないか、朱莉?」
ビクーッと肩を震わせ声のした方を見れば暗黒微笑を浮かべた澤村大地様。
「いやぁ、それがね、スポーツショップで牛島若利に会っちゃってさぁ」
「「「ウシワカぁ!!?」」」
素直にそう言えば耳を塞ぎたくなるほどの大声が上がった。
澤「それで!?何もされなかったか!?」
脳が揺れるほどガクガクと揺さぶられ発言の余地さえ与えてもらえない。
菅「大地、その辺にしてやらないと朱莉の脳ミソ使い物にならなくなっちゃうから」
澤「お、おう、、、すまん朱莉。」
久しぶりにスガに感謝した気がする。