第4章 おべーんきょ!
なんだかんだテスト前日の朝まで紅林は付き合ってくれた。
いつもギリギリに来る紅林が早めに切り上げられる朝練終わりの時間に合わせて、だ。
本当は面倒見のいい、優しいやつなんだ。
外見と言葉遣いで勘違いされやすいだけで。
だから谷地さんともすぐに打ち解けたし、あの月島でさえ今では手懐けられている。
今ではバレー部の一員みたいなものだ。
今度マネージャーに誘ってみようか。
そんなことを思いながらスガと二人、勉強をすすめる。
菅「大地、ちょっと職員室行ってくるわ。」
澤「おう。」
すぐ戻るなーと言って出て行ったあと、すぐさま勉強を再開する。
ガラッと勢い良く開けられた扉から入ってきたのはスガではなく、息を切らした紅林だった。
「あ、さーむらじゃん。べんきょ?」
澤「そうだよ。紅林は?」
「あー、あたしは「くればやしぃーーーー!」生活指導の先生と鬼ごっこ。」
澤「あっ、、、(察し)」
「いーや、勉強しよ」
澤「いいのかよ!!」
先「紅林!!!、、、と澤村もいたのか。」
「はろん先生。」
先「何してる紅林。」
「おべんきょ」
そう紅林が答えた時、生活指導の先生はフッとバカにするように鼻で笑った。