第16章 お肉争奪戦
結局カゴは返してもらえず、仕方なく牛島くんの隣を歩いた。
「ねー牛島くんはさぁ」
そう言うと何故かじっと見つめられた。
「なに。」
牛「いや、何でもない。」
何でもないんかいっとココロの中でツッコミを入れ、また話しかけた。人見知りだし男の人あんまり好きくないけど、気まずいのはもっと好きくない。バレー部の人以外は別よ?
それに、牛島くんはなんか平気。
「今日は白鳥沢は練習無いの?」
牛「体育館に点検が入って急遽休みになった。」
「だから買い物に?」
牛「あぁ。」
会話中も必要なものをカゴに入れて、次を目指す。
「ちなみに何を買いに来たの?」
牛「次のシューズの下見だ。」
そう言われた時、ちょうど自分の買いたいものはすべてカゴに入れ終わった。
「じゃあ、お礼に付き合うよ。シューズの下見」
すると少し間を開けて「あぁ」と言った。
毎年毎年モデルチェンジするシューズは店頭に置かれているものだけでかなりの数がある。カタログのも合わせたら大変な数だ。
ポジションやフィジカルによって選ぶシューズも変わるし、“跳ぶ”事がメインのバレーは自分の“脚”となるシューズ選びはとても重要なんだ。
「ポジションはWSだったよね。足に怪我の経験とかは?」
牛「ない。」
「ならクッション性に優れてて、疲労を軽減できるような、、、メーカーとかモデルに拘りは?」
牛「いや、ない。」
「ふむ。」
牛島くんの発言を元にシューズ選びを開始した。何やってんねんあたし。