第16章 お肉争奪戦
牛島くんは自分のテーピングも取り、用は済んだはずなのに未だに動こうとしない。
へんなの、
そう思って立ち去ろうとすればまた声をかけられた。
牛「まだ何か買うのか。」
「あとタオルと予備でスプレーだけだけど、、、」
なんで他校の、しかも全国行く上で倒さなきゃいけない相手にこんなこと話してんだ?てゆーか、何でこんなこと聞いてくるんだ?初対面だよねあたし達。
「えーと、なんで、かな?」
そろそろ表情筋が我慢の限界を迎えるよ。ポーカーフェイス崩れちゃうよ。
牛「重いだろう。持ってやる」
「What?」
oh...予想を斜め45度くらい超えて来た。いや70度くらいの勢いだ。
「いや、そんな他校の人に悪いよ。」
本音を言えば良くわかんねー男に近くにいられたくないと言うか、、、
牛「気にすることは無い。それに、そんな細い腕で持てる筈が無い。」
気にするよ、しますよ、しますとも!もしかして今遠回しに貧弱って言われた?被害妄想入ってる?あーもー通訳下さい。
「あっ」
まだYesとも何も言っていないのにカゴを取られスタスタと歩いて行ってしまった。
牛「どうした。まだ買うのだろう?」
「はぁぁぁ、、、」
ポーカーフェイスは最後まで持ちませんでした。
ほんと変な人。