第16章 お肉争奪戦
ー武田ー
陽も段々傾き始めてきた頃、この1週間のお礼をしに猫又監督の元へ向かった。
武「猫又先生!あの、今回も呼んで頂いてありがとうございました!
ここに来られたからこその変化もあったみたいです。」
僕の視線の先には、他校のキャプテンに可愛がられる月島くんの姿。
猫「いやいや!こっちも良い刺激を貰った様だしお互い様だ。」
猫又先生の視線の先には日向君や孤爪君、灰羽君がいた。
猫「、、、半年後には__
今と同じチームは1つも存在しない。メンバーの変わった新しいチームになっている。」
武「!」
半年後、つまり春高が終わる頃、、、
猫「、、、後悔の残らない試合など知らない。少なくとも俺は。それでも、後悔の無い試合をしてほしいと思うし、そうであるよう、力を尽くすしか無いのだろうな。」
選手ではなく、マネージャーでもなく、
“監督”として出来ることを。
改めて、そう思った。
猫「そういや、時に武田先生よ。あの子、、、名前なんて言ったっけな。あの赤い髪の。」
武「紅林さん、ですか?」
猫「そうそう。あの子、ちゃんと見てやらんと
いつか壊れてしまうぞ。」
僕らの見つめる先には、この合宿中にさらに仲良くなったのであろう他校の部員達に連絡先を聞かれる紅林さんの姿があった。
武「、、、そんな事、させません。」
猫「、、その意気だな。」
もうすぐ、陽が沈む。