第16章 お肉争奪戦
しきりに撫で回した後はお母さん達のところに戻ろうと、僅かに見える出口(隙間)に体を向けた。
足を一歩踏み出したはずなのに突然襲ってくる浮遊感。
「ふわぁっ!?」
目線はいつもよりぐっと高くなって地面が遠い。
「やめっ、下ろせっ!!」
抵抗しても流石というべきなのか全く焦る様子がない。人ひとり抱えて抵抗されても平気とかどんな筋力してんの。
鷲「あーなんか黒尾たちが抱き抱えたくなる気持ちなんとなくわかる気が、、、」
東「次俺で。」
「次とかねぇからマジやめろ。」
ここまで言われても次の人にあたしを回してく彼らはやっぱり流石というべきなのか。
と、そこに潔子親衛隊を叱るだいちの姿が見え、目が合った。
やべぇ、くる。
「セコム来る。下ろして。命があぶな」
トントン
あたしを抱えていた人が後ろから肩を叩かれ、振り向くとそこには
暗黒微笑を浮かべた烏野のドンこと澤村大地の姿。
澤「下ろしてくれるか?」
男「ハイ。」
即答で答えて瞬時にあたしを下ろしその人は3歩ほど後ろに下がった。
澤「朱莉?」
「ハイ。」
人のこと言ってる場合じゃなかった自分もだった。
澤「ちゃんと気をつけなさいって言ったよな?」
「ハイ、、、。」
そこから5分程お説教された。とばっちり