第15章 vs梟谷
少ししてから潔子達もやって来て、一緒に野菜を切り始めた。
清「朱莉やっぱり上手だね。手際がいい。」
「毎日やってることだからね。慣れだよ慣れ」
極力自分で作ることを心がけてるからそれなりに料理の腕は上達してるんじゃないかと自分でも思う。
雀「毎日お手伝いしてるの?」
向かい側で同じく野菜を切っていた雀田さんが訊ねてきた。
「お手伝いって言うか、あたし一人暮らしだから家なこと自分でやらないといけなくて、、、」
雀「一人暮らし!?」
まるで初耳だと言わんばかりに驚く彼女にあたしも驚いた。
「けーじたちから聞いてないの?」
だってコタはともかく、けーじが言ってないはず無いだろうから。
雀「赤葦から?聞いてないよ?あたしらが紅林さんの事で知ってるのは、『首に向かって手を伸ばされたり触られたりするのにトラウマがあるみたいだからしないで下さい』ってことだけで、、、」
白「多分だけどさ、赤葦の事だから気ぃ遣って細かくは言わなかったんじゃないかな?」
雀「あたしらは紅林さんの過去に何があったとしてもどうするってワケじゃないから構わないんだけどね?」
野菜を切る手を止めてしっかりあたしの目を見ながら喋ってくれる2人は、学校の女子よりずっとずっと良い人だった。
「ありがとう。」
「「いいよー!」」
少しはみんなに打ち解けられてきたかな、、、?
生「あ、そうだー!」
みんなでせっせと準備を進めていると、生川のマネさんが声を上げた。
生「最終日だしさ、ずっと気になってたこと聞いてもいい?」
“誰に”なのか言わなかったのを良いことに自分ではないと勝手に思い込んでいたのがいけなかった。
生「ねぇ紅林さん!」
Oh、、、マジかよ