第14章 必殺技
第三体育館からマネージャー達の部屋までは少し距離があって、お腹が空いたらしい日向と灰羽は途中から食堂に向かった。
赤「月島はいいの?」
月「僕はそこまでじゃないんで。」
赤「そっか。」
2階からワイワイ騒ぐ声が聞こえる。最終日だからってはしゃいでんのかな?
赤「木葉さん達、、、はぁ、、、」
あ、梟谷の先輩達か。赤葦さんも大変そうだ。
2人ともそんなに喋るタイプじゃないし部屋も少し静かになったみたいだから沈黙が僕達をまとった。
そんな中赤葦さんの腕の中でべにさんはもそっと動いて、
「んっ、、、だぃ、ち、、、」
澤村さんの名前を呼んだ。
赤「これは勝ち目無さそうだね。」
月「デスネ。」
そんなのいつも近くで見てる僕のほうが良く知ってる。ケド、彼女の逃げ場?って言うか休憩所みたいな役割ができればそれで充分。なんて思えるくらいには希望みたいのを持ってる。
赤「ん、あそこだね。」
既に明かりのついた教室の扉をぼくがノックして、中から人が出てくるのを待った。
清「はーい。どうかしたー、、、って月島?」
月「赤葦さんとベにさんも居ます。」
中から出てきたのは清水先輩だった。
赤「すみません。疲れて寝てしまったみたいで。」
状況を説明して敷き詰められた布団の一角にべにさんを寝せ食堂に向かって歩いていると、不機嫌な木兎さんと黒尾さんが居た。
あーめんどくさい。