第13章 黒尾
黒「なー、午後もバレーできそ?」
俺の背中にテーピングを施しているべにちゃんに話しかけた。
「ちょっと厳しいかもね。」
黒「あーくそーッ」
「夜には痛み引くはずだから我慢して。」
黒「俺は今バレーがしたい。」
「縛り付けるぞ。」
黒「何?そーゆープレイがお好み?」
「くたばれ。」
黒「冗談だって。大人しくしとくっつの。」
いや、バレーやりてえってのは冗談なんかじゃねえけどさ。
べにちゃんの怪我の治療についての腕は俺も信頼してるし、指示に従うつもりでもいる。
けどそれとバレーやりたいってのはまた別問題。
木兎のしょぼくれモードじゃないけどテンションが下がる。
「180cmオーバーの男のいじけ顔とか需要ないぞ?」
黒「俺結構モテるのよ?」
「きっと世も末ってこういう事を指すんだろうね。」
黒「泣きっ面に蜂ってこういうことを言うんだろうな」
吐かない方が良いとは分かっていても溜め息が零れる。
「よし、テーピング終わり。」
ようやく処置が終わり、今度は先ほどとは逆に痛めた腕から先に袖を通すようにしてシャツを着せられた。