第13章 黒尾
ー朱莉ー
偶然顔を上げた時だった。
コートの外に向かって弾かれたボールをクロが繋ごうと走って、
でもその先には壁があって、
「クロ危ない!!!」
咄嗟に叫んでいた。
けどフライングレシーブをしているクロに止まる術は見つからない。
スライディングをしながらなんとか壁に背を向けてクロは壁にぶつかった。
「クロ!!」
周りがびっくりして動けないのにあたしだけは何故か彼の元に走っていて、苦痛に歪む顔を覗き込んだ。
「クロ!クロ大丈夫!!?」
ゆっくりと上体を起こしながら「ってぇ、、、」と漏らした。
「どこ!?どこが痛いの!?」
猫又監督がタイムアウトをとって、みんなもクロの元に集まって来た。
黒「へーきだっつーの。そんな勢いよく突っ込んだワケでもねぇしな」
夜「けど一応この試合はやめといた方がいいんじゃ、、、」
黒「平気だっつってんダロ!!!」
やっくんの制止も聞かず、クロは試合を再開しようとした。