第13章 黒尾
ー黒尾ー
黒「っクソフクロウめッ、、、」
グッと手の甲で首筋に伝う汗を拭き取る。
それでも止まることなく流れる汗にイライラするのを耐えながらボールに集中力を注ぐ。
普段は馬鹿丸出しの木兎だけど、バレーとなると一癖も二癖もあるヤツだ。
木「どーした黒尾!もうバテたか!!」
黒「うっせー!すぐお前のヘナチョコスパイク止めてやっから黙ってろ!」
木「そう来なくっちゃな!」
つっても俺今後衛なんだけどな。
いいトコ見てもらうはずだったべにちゃんはノートと睨めっこしてるしなんか今日俺ツイてない?
ピーーッ
大きく鳴った笛の後に打たれたボールは俺のいる所とは反対のサイドに向かって飛んで行って
レシーブされたボールは研磨の元には上がらず、コートの外に弾かれた。
それでもまだボールは床に落ちてない
黒(あ、まだイケる。)
そう思って疲労の溜まった足を必死に動かしてボールに飛び込んだ。
その時はボールにしか目がいってなかったから気づなかった。
ボールを拾った先に壁があったという事に。
「クロ危ない!!!」
黒(やっぱ俺今日ツイてないわ。)
踏ん張ることの出来ない俺は止まる事も出来ない。
咄嗟に壁に背を向け頭を守るようにした。
ガンッ!!