第13章 黒尾
セット間のペナルティと休憩が終わり、次の試合が始まった。
流石にもう猫又監督はあたしに話しかけては来なかったが、気にはしているようだった。
木「あかーーしぃ!寄越せっ!!」
誰よりも大きな声でトスを呼んだコタに放物線を描くようにボールが上げられ、コタのスイングはボールに当たる直前にスピードを無くし、そっと触れるようにブロックの後ろに押した。
黒「ア"ァァァ!?」
木「ザマァミロやー」
悔しがるクロとやっくんに向かってアッカンベーするコタはまるで3歳児のようだ。
木「べに見た!?今の見た!?俺スゲーだろ!!」
「見てた見てた。あたしも引っ掛かった。」
木「おっしゃあ!赤葦次もいいトス寄越せよ!!ヘイヘイヘーイ!」
トサカヘッドからの視線を感じるが知らん知らん。
黒「敵の応援してんな!!」
「へいへい。クロもがんばれー」
黒「適当か!!」
注文の多いやつだなぁとか思いつつもシッシっと手を払った。