第12章 眩しい
さてこの集団のお目当てでもある朱莉はと言うと
俯き、横髪で顔が隠れてしまっていた。
澤「朱莉?どうした?」
やはりまだ体調が優れなかったのではと思い声を掛けると、ガバッと効果音が付きそうな程勢い良く頭を下げた。
何事かと瞬時に静まる食堂。
「、、、ごッ、ごめん、なさい。心配、かけて、ごめんなさい。」
躓きながらもしっかりと聞き取れるくらい大きな声でみんなに向かって謝った。
烏野のみんなも、音駒のやつも朱莉のことを知る者は驚き、目を瞬かせている。
無理もない。
朱莉は悪いと思った時は謝るけれど、頭を下げるようなタイプではないから。
みんなが固まる中、一番初めに反応したのはスガだった。
菅「やぁーっと分かったかこの不良娘!!」
「うわぁぁあっ」
下げていた朱莉の頭をわっしゃわしゃと撫で回した。
それからスガを筆頭に次々と人が群がり、忽ち朱莉は見えなくなった。
ほら、これで分かっただろ。
こんなにお前は大切にされてるんだぞ。