第12章 眩しい
澤「あっぶな、、、」
ふわっと香ったのはさくらんぼのようなほのかな香り。
あれ、朱莉香水なんてつけてたっけ?
さっきは気が動転してたし、そう思うくらいには最近朱莉と距離が近くなるような事が無かった。
この場面で思うようなことではないけれどそんな事を考えていた。
ちゃんと抱き留めたつもりではいたけれど、怪我はないか確認しようとした時だった。
「ごめ、なさッ、、、心配、かけて、ごめんなさいッ、、、」
泣いてるんじゃないかと思うくらい震えた声で
ごめん、と謝ってきた。
俺の胸に顔を埋めているから表情は分からないけど、ほんとにそう思ってるんだってのは分かった。
けど、
澤「頼むから、泣くな。朱莉が泣くと、俺までツラくなる、、、。」
泣かせたいんじゃないんだ。
お前の、笑顔が見たいんだ。
澤「俺こそ、ごめん。キツく言い過ぎた。」
何日かぶりの愛しい人の身体をきつく抱き締めた。
なんて心地いい。