第12章 眩しい
ー清水ー
保健室に着き、朱莉をベッドに下ろして貰って熱中症の処置を施した。
先ほどよりもいくらか落ち着いた表情で規則正しい呼吸をしているからなんとか平気だろう。
朱莉をここまで運んだ本人は入り口の所で腕を組みながらこちらを見ている。
木「なぁ。」
彼のものとは思えない真剣な声がかけられた。
清「、、なんですか?」
木「こいつって何でこんなに周り頼んねーの?」
清「、、、分からない。いくら頼って欲しいって言っても大丈夫って言って聞かないから、、、。」
特徴的な赤い髪をするりと撫でると少しだけ表情が柔らかくなった。
清「長年染み付いたものは簡単には抜けない。」
木「けどそれを何とかしてやんねーと壊れちまうぜ?」
分かってる。
けどきっとそれは私の役目ではない。
清「落ち着いたみたいだから戻りましょう。もうそろそろ梟谷の試合が始まる頃。」
木「あ、おう。」
清「朱莉なら心配いらない。うちのもう一人のマネージャーに来てもらう。」
そう言うとホッとした顔をして体育館へ走って行った。
こんなにも色んな人に愛されているのに、どうして朱莉は一人で抱え込むのだろう。
もっとみんなを頼って、、、。