第12章 眩しい
猫又監督と直井コーチが助けに来てくれたあと、音駒は試合の順番が回って来た。
私達の後ろのコートでは烏野と生川が試合をしていた。
「あっち行きたい、、、。」
黒「ちょいちょい、べにちゃん?それはナイでしょ。俺らのこと少しは応援してくれても良いんじゃない?」
ニヤニヤと笑いながら私の肩を抱くクロ。
あ、だいちがレシーブミスした。
「肩抱いてんじゃねーよ。つか倒す相手の応援したくない。」
黒「言うねぇ。」
それより、
「早く手ぇ離さないと、試合終わってだいち飛んでくるよ?」
黒「あー、うん。俺もそんな気がする。」
大地の視線から逃げる様にサッと横を向いたクロからは滝のように汗が流れていた。
「ハァ、自業自得だけど、脱水症状ならないようにちゃんと水分とれよ?」
そう言ってボトルを渡すと一瞬驚いた顔をして、
目を細めて嬉しそうに笑った。
黒「さんきゅ、べにちゃん。」
「どーいたしまして。」
クロに背を向け、猫又監督のところに向かった。
黒「勝率は低そうだなぁ。」
クロの呟きは体育館の熱気とボールの音でかき消された。