第12章 眩しい
羨ましい。
素直にそう思った。
明るくて人懐っこくて、自然と人の輪の中に入っていける。
そんな灰羽が羨ましかった。
「紅林朱莉。べにか朱莉って呼んで。」
灰「翔陽はどっちで呼んでるんですか?」
「キホンみんなべにって呼ぶ。」
灰「わかりました!べに先パイっすね!」
彼は素直だ。ウソで飾ったりすることの出来ないタイプ。
灰「ねーねー、べに先パイ!笑って下さいよ!」
「なんで?」
灰「だって先パイ、笑ったほうが絶対かわいいっすもん!だから笑って下さい!」
、、、こいつはタラシだ。
及川とはまた違ったタイプの。
無自覚天然タラシだっ。
「断る。可愛くなんかねーしな。」
灰「ええっ!?そんな!笑ってくださいよぉ」
「うるさいなあ。」
灰「うーー、あ、夜久さん!黒尾さんも!」
夜「何だよリエーフ。サボってんじゃねぇぞ。」
灰「う"ッ、そ、それより!べに先パイって笑ったら絶対可愛いですよね!?」
周りを巻き込んでまでそれを証明したい理由とは。
灰羽に言われあたしの顔をジーッと見つめるやっくんとクロ。
「「かわいいな。」」
「コーチ、不審者がここに居ます!」