第12章 眩しい
黒「オイこら!研磨!!、、っと、わりぃな。普通ならあんなこと言う奴じゃないんだけどな、、、。」
「へーき。気にしてない。ただ、、、嫌われちったかな?」
黒「いや、嫌っちゃいねえと思うんだけど、、、」
「ははっ、ありがとクロ。」
その後ぼんやりと試合の風景を見たりしながら考えた。
“そのままあんたに返すよ”、、か。
自分を大事にって?
そんなことする必要なくない?
あたしはどーせいらない子。
望まれなかった命。
お母さんの命を奪ってまで生まれてきた命。
だったら人のために使ったほうがよっぽどいいじゃない?
お父さんお母さんに『生まれてきてくれてありがとう』って思われながら育ったみんなとは違うんだよ。
灰「赤髪先輩顔暗いですよ??」
「ッうわぁ!?」
灰「ビックリしすぎですってー」
考え事をしていたのに急に話しかけられ、驚いた相手がよりによって灰羽だった。
ケタケタと笑いやがって。
「赤髪赤髪ってうっせーな。」
灰「だって先輩の名前ちゃんと聞いてませんもん。」
嫌なら教えて下さい。
そう言った灰羽の笑顔が、あたしには眩しかった。