第11章 理由と決意
「蛍に言ったんだよね、全部。」
山「聞こえちゃってましたか、、」
恥ずかしそうに頬を掻く忠はさっきまで奇声をあげていたとは思えないくらい大人しかった。
「『ヅッギィィィィィ』のとこだけね」
山「忘れてください、、、。」
顔を赤くする忠をよそに考え事をした。
「チッ、、あの時と同じかよ」
山「え?」
「忠。屈め。」
山「え、あ、はい。」
少し屈んだ忠の頭を優しく撫でた。
「忠も他の3人に負けんなよ。」
山「ッ、、、ハイッ!!」
「良い返事だ。」
頭から手を離して小さく笑うと忠も笑った。
心がぽかぽかと暖かくなった気がした。
「じゃああたし戻んないとコタ煩いから。じゃあね?」
山「あ、はい。」
山(、、コタって誰だろ、、、)
ぽかぽかする心に上機嫌になりながら第三体育館に戻った。