第11章 理由と決意
木「あーっ!眼鏡君さ!」
月「月島です、、、」
木「月島くんさ!バレーボール楽しい?」
月「、、、、?、、、、いや、、、特には、、、」
悩みに悩んだ末に蛍はあまり楽しくないと答えた。
木「それはさ、へたくそだからじゃない?」
「どストレートやなぁ」
木「俺は3年で全国にも行ってるしお前より上手い断然上手い!」
月「言われなくてもわかってます。」
バァーン!と効果音がつきそうなほどのドヤ顔だった。
木「でもバレーが“楽しい”と思うようになったのは最近だ。」
月「?」
木「“ストレート”打ちが試合で使い物になる様になってから。
もともと得意だったクロス打ちを、ブロックにガンガン止められて、クソ悔しくてストレート練習しまくった。
次の大会で同じブロック相手に、全く触らせずストレート打ち抜いたった。
その一本で『俺の時代キタ!』くらいの気分だったね!!」
そして木兎は愉快そうに笑ったあと獲物を狙う猛禽類のような鋭い目をした。
木「__“その瞬間”が有るか、無いかだ。
将来がどうだとか、次の試合で勝てるかどうかとか、一先ずどうでもいい。
目の前の奴ブッ潰すことと、自分の力が120%発揮された時の快感が全て。」
月「___、、、」
木「まあ、それはあくまで俺の話だし、誰にだってそれが当て嵌まるワケじゃねえだろうよ。
お前の言う“たかが部活”ってのも俺は分かんねえけど、間違ってはないと思う。
__ただ、もしも、その瞬間が来たら
それが、お前がバレーにハマる瞬間だ。」
その一言で
蛍の表情が少し、変わった気がした。