第9章 雑食
烏野高校を出発して数分。
大半の人が夢の中へ落ちていった。
「だいち眠いの?」
かくゆうあたしの隣の人もとても眠そうだ。
澤「んぁ、、、んーねみぃ、、、」
「寄りかかっていいから寝なよ」
澤「んー、、、さんきゅ」
それだけ言って後は気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。
けど、少しずつだいちの頭が下がってきて、ズルズルと倒れこんできて膝枕状態になった。
いつもなら触れることなんてできないだいちの顔。
大人っぽくて、みんなのお父さん的なだいちも、寝ているときはどこか幼く思わず笑みがこぼれてしまった。
「ねぇだいち。信じてもいいよね、、、?」
みんなには聞こえないよう、小さな声で訊ねる。
起きてたら当たり前だって怒られるだろうから言えないけど、まだ少しだけ不安。
「ごめんね、だいち。」
そう呟いてから短髪の黒髪を撫でていた。
それからどのくらい経ったろうか。
しばらくしてから話し声が聞こえてきた。
滝「なー繋心。」
烏「なんだよ」
滝「あのべにって呼ばれてる子って、、、」
あたしの事だった。
「あたしがどうかしました?」
烏「ッ!?お前起きてッ」
「眠れなくて。で、あたしがどうかしました?」
滝「あっ、いやーその、、、」
またか、、。
「別にいいですよ。どうせいい話では無いでしょうから。」
あたしは考えることをやめ目を瞑って寝ることにした。