第2章 始まり
テスト期間が始まろうとしていた。
俺達バレー部は赤点を取ろうものなら、せっかくの東京遠征は補習で潰れる。
3年は残ると言ったからにはそれなりの成績が必要だし、愛すべきバカ組の面倒も見なければならない。
これ以上憂鬱なことなどない。
菅「なぁ大地。あのバカ組どーするよ」
澤「うーん。俺達だけで面倒みれっかや」
ただでさえ物覚えの悪い者たちだ。
手こずることは間違いない。
それに3年組だって今回のテスト範囲は難しい。
ノー勉で挑めるほどの勇気は持ち合わせてない。
澤「誰かヘルプ1人欲しいな。」
んー、と二人で考えこんだあと、二人で同時に一人の名前が浮かんだ。
「紅林!/朱莉!!」
彼女なら俺よりも頭がいいみたいだからなんとかなるだろう、そう思った。
「ふざけんな」
現実はそう甘くなかった。
菅「あーかーりー!頼むって!このとーり!!」
「い、や、だ。」
昼休みに頼んで撃沈。
ピンポンパンポーン
「3年4組紅林朱莉。至急職員室に来なさい。」
「お呼ばれしたからじゃあねん」
ヒラヒラと手を振りながら職員室へ向かった。
澤「なんの用だろうな」
菅「制服だよ。着こなしで呼ばれたんだ。あと髪。」
分かっていたかのように答えるスガ。
ほんの少し、嫉妬する。