第2章 phase2 慟哭
それから1週間、彼女は学校に来なくなった。
学校の付近では不審な行方不明事件が多発し、クラスメイトも一人二人かけていた。
「霧咲、後で職員室来れるか?」
「はい…」
担任に呼ばれて応接室に行くと、ただならぬ空気を感じ、少し緩めていたネクタイを締め直した。
「さて、呼び出した理由だが…今朝警察からこんなFAXが届いた。」
それは彼女。
紗栄子ちゃんの顔写真が全て公開されていた写真であった。
「先生!いくらなんでもこれは法律違反では!?」
「巷に出る時は目線が入る。
その前に、お前に1つ聞いておきたいことがある。」
「…なんでしょうか…」
「1週間前、高崎駅の近くの歩道橋で人身事故があったのは知っているな?」
「…えぇ、献花をよく見ますからね。」
「あそこでお前と斧原を見たという人物がいるのだ。」
その言葉を聞いた瞬間に胸を大きな針で突き刺された気がした。
「その日は僕は紗栄子ちゃ…斧原さんの家に泊まったので確かに見られた可能性はあるかもしれませんが、事件とは無関係です。」
「そうか…なら良いのだが、斧原の行方はまだお前でもわからないか…」
「えぇ、メールにも出ないですし、音沙汰なしです。
ご親族もどこに行かれたのか…」
分かったと先生に言われ、部屋を出て行くと少し心が痛んだ。
しらをきり通すのがこれほど難しいものとは思ってもいなかった。
その日の放課後、図書館で少し今詰めて勉強をしていた為、時刻は8時を回ってしまっていた。
急いで表に出てみると見慣れた人影が目の前に立っていたのが見えた。