第2章 phase2 慟哭
目が覚めたのはどれくらいたったか分からない時間で表の明かりが差し込んでくるが、朝とも夕方とも言えない日の差し方だった。
「ここ…一体…」
「お目覚めですか。」
少しベットから離れた所から彼女の声がした。
「君が…僕を…」
「えぇ、そうですよ。
あなたが倒れて、紗栄子まで倒れちゃ私しか移動できることはできませんからね。」
「…ありがとう、助けてくれて。」
「…別にあなたを助けた訳では…
それより、あなた何日眠っていたかご存知で?」
丁度それを聞こうとしたのだった。
「あれからもう3日。
あなたに考えがあると思い私はここを動かずにいましたが、もうしばらくすれば捜査網はどんどん広まりますよ。」
足跡を残したつもりは無いとはいえ、何かの偶然で僕らが逃亡したとタレコミが入れば捜査はすぐに進展し、逃亡どころの騒ぎてはなくなる。
「とはいえ、時間はあまり残されていません。これからどうするつもりなんですか?」
「取り敢えず、この街の電車を使えればこの県からは脱出できる。
その後は都心に出てから決めよう。」
「分かりました。
では、紗栄子に変わります。」
そう言って少し俯いたが、彼女は僕の前に歩み寄ってきた。
「何故紗栄子はいまだに目を覚まさないのですか。」
「…マジで…?」
「はい。」
僕はしばらく彼女と行動することになった。