第34章 林檎ちゃん
「智くんに言われた言葉が色んなところから漏れて、その会社とは関わらない方が良い。
って契約を白紙にされたんだよ。
だから倒産ね」
智先輩に代わり、翔先輩が説明してくれる。
「そっか…」
自分の言った言葉のせいで倒産しちゃったんなら、責任感じちゃうよね。
自分がそんなこと言わなければ、って。
私だったら絶対感じちゃうもん。
それで2度と同じ過ちを犯したくないから口や心を閉ざしちゃう。
「それからあんま喋んないようになったかな。
俺が喋るとろくなこと起こんないしね」
弱々しく口角を上げた。
「そんなことないよ」
「うん、確かにそうだった。
楓は別、楓となら沢山話せるよ」
「先輩…」
なんて嬉しい言葉を言ってくれた。
「んふふ、楓は俺にとって特別な存在だからね」
「え…?」