第34章 林檎ちゃん
「さぁ?
内緒話、とでも言っておきましょうか」
「ニノのケチー」
ブーブー文句を言っている相葉くん。
「まぁまぁ、聞かれたくないことだってあるよ」
いつもは静観する智くんが仲裁に入る。
「ん…」
騒がしくなり、ピクリと身体を動かす楓ちゃん。
「楓ちゃんおはよー」
と、楓ちゃんの顔を覗き込む相葉くん。
「ま、雅紀先輩⁉︎」
思わずたじろぐ。
「どしたのさ、そんなに驚いて」
「寝起きであなたのアップは驚きますよ、そりゃ」
首を傾げる相葉くんに告げるニノ。
「えー、そう?」
「び、びっくりした…」
「あひゃひゃ、ごめんね」
「ううん、いいよ」
「ねーねーリーダー!」
何かを期待するように智先輩を見つめる雅紀先輩。
「…なんのことだっけ?」
と、惚ける智先輩。
「えーっ…」
「んふふ、冗談だってば。相葉ちゃん。
ちゃん覚えてるよ」
「もうっ、リーダーのイジワル」
「大したことじゃないけどね」
「でもいーの」
「はいはい、分かったよ。
あれはね、中学に入学したばかりの時…」