第33章 休息
「…ず…‼︎…かず…‼︎」
誰かの…声がする…。
「和っ‼︎」
「まぁ…くん…?」
この声、間違いなくまぁくんだ。
目を開けると、目の前には心配そうな顔をしたまぁくんが居た。
「そうだよ??
良かった…起きた」
「センセ…は?」
「そ、それは…」
言いにくそうに、目が揺らぐ。
「なんで金庫、空いてるの?」
「…ごめんね」
「なんで、まぁくんが謝るの?」
「せんせー…和を騙してたんだ。
多分結婚も嘘だよ。
和の家のお金が目的だったんだ」
「えっ…?」
「ごめん、和。
ごめんね…気づいてあげられなくて」
「嘘だよ!だってセンセは…」
「もう居ないよ」
「そんな…やだ…やだよ…」
「和…」
「やだ!まぁくんの嘘つき!
まぁくんなんか…まぁくんなんか…」
グシャリ、と和の顔が涙に歪む。