第1章 秘密の始まり
「?どういうことですか?」
言葉の意味が理解出来ず、聞き返す。
関係無いって、どういうことだろう。
「…もういいよ」
感情の入っていない声で鬱陶しそうに呟く。
「え?」
「あんた、帰んなよ」
君からあんたに変わる。
怒らせちゃったんだよね、私…。
感情の入っていない目が、声が怖くて堪らない。
「ごめんなさい…」
言い過ぎた、かな?
と、表情には出さず心の内で思う。
が、謝るのはなんだか恥ずかしい。
そのまま黙っていると…。
「じゃあ、失礼します」
彼女は暗い表情で帰って行った。
パタン…。
「言い過ぎたかも」
でも俺らに構う奴なんか…たかが知れてる。
…内田楓…どんな人なんだろ。
なんか気になる。
彼女の出て行ったドアを見つめる。
珍しいな、俺が興味持つなんて。
と、自嘲気味に笑う。
何年ぶりだろう、こんな気持ち。
今度会ったら謝っておこ。