第3章 受験
「…あ、あの…どうしましたか?」
恐る恐る声をかけると我に返ったのかハッとした顔になり慌てて表情を引き締める
そんな様子が可愛くて思わずくすくす笑うとトキヤに軽く頭をはたかれた
…あれ、トキヤって女の子に対してこんな酷いことするっけ…?
と、少しジンジンする頭を押さえながらトキヤを睨みつけると顔をそっぽに向けた
…なんなんだよ、もう…
「……私は一ノ瀬トキヤと申します」
少ししてから、ぼそりと自分の名前を吐き捨てた
思い出してくれたか聞こうと口を開いたが、日向先生の声で口を閉じた
テスト終わったら聞こう、と前から順番に回ってくるテスト用紙を眺めながら考えた