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The seconds life

第3章 受験








そして、あれから会話は途切れ何事もなかったような空間が広がった


……え、ちょっと待って、まじで私のこと覚えてないの?
確かにあの時から数年もたってるから、見た目とかちょっと変わっちゃったかもしれないけど…
私そんなに変わってないと思うんだけどなぁ…ていうか、あの頃のトキヤは敬語じゃなかったし
表情は豊かだったし、なんで今はこうなっちゃったんだろう
…忘れられてるのも、なんだかさびしいなぁ…


と、色々考えながらトキヤの横顔をぼんやり見つめていると再び視線が合う

…不機嫌オーラ全開である。




「……さっきから私の顔をジロジロジロジロと。なんなんですか」


「ひいいいいっ、す、すみませんっ!」


「謝るくらいなら最初からやらないでください」


「はい…」



私は思わず縮こまった。ああ、大変失礼なことをしてしまったよ…



しばらく反省していると横からぐさぐさと視線が突き刺さってくるのに気がついた

それを辿ると、またまたトキヤと視線が合った


…今度はトキヤからガン見されてる。え、怖い
さっき人にあんだけ言っといて自分もやってるじゃないか



「………な、なんですか、私の顔になにかついてますか?」


「いえ…あの、貴方の名前を教えていただけませんか?」


「え?」



な、なんだ急に…もしかして、思い出してくれたのだろうか?



「えっと、私は宮野思音です」



そう、名前を告げた瞬間トキヤは目を見開いた

と、同時に教室のドアが開いた


私は反射的に前を向いて、ドアの方を見る
そこにはあの現役アイドル、日向龍也がたくさんのプリントを持って立っていた
周りにいた女の子達が一斉にきゃー!と黄色い歓声をあげて騒ぎ出す


うるさいなー、と小さくため息を吐きながら
で、何の話だっけ?とトキヤに向き直ると、

なんとトキヤは私を見ながら微笑んでいるではないか!


え!!と思わず吃驚するもトキヤは構わず私を見て微笑んでいる

…何この状況…逆に怖いんだけど…ていうか、微笑んでいるそれは、まさか無意識…なのかな…?



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