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【銀魂】万事屋のお隣さん。

第3章 城中、城下


あの後、城下町を一通り回ってから、そよ姫曰く「秘密の通路」からお城へ戻った。案の定私たちのことをじいやさんは探していて、そよ姫の着物を元の高級そうな方に着替えさせた後に部屋から顔を出すと、じいやさんは凄い形相で詰め寄ってきて、一体どこにいたんだと問いただす。そんなじいやさんに「かくれんぼしていただけ」を押し通すそよ姫にはいつまでたっても勝てる気がしない。

まだまだ踏ん張るじいやさんの声を他所に、そよ姫は縁側に腰をかけた。

「そよ姫は、総悟くんと仲が良いんですか?」
「直接お話ししたことは少ないけれど、沖田さんは時々お城に出入りしているんだよ」
「え、まさか総悟くんって身分の高い人……」
「警察だよ!真選組の隊長をしてるの!」

確かにそう聞くと、彼のあの黒い服は見覚えがあるような気もしなくもない。それにこのご時世に腰に刀を差している人なんて、悪人か幕府かの二択だ。攘夷浪士のようには見えなかったし、よく考えれば幕府の人間だってすぐに分かることだろう。

「あっ、噂をすれば真選組の人たちだよ!沖田さんいるかも」
「えっ…」

確かに先程から城内が騒がしいとは思っていた。そよ姫が指差した方に顔を向ければ、総悟くんと同じ服の集団がいる。先頭を歩いてくる人は総悟くんほどではないが若く見える。体格はがっちりしているが、優しい目をした人だった。
彼らは入城してからそのまま真っ直ぐ行くかと思いきや、中庭を突っ切って、私たちのいる縁側に近寄ってきた。

「こんにちは!」
「………え」
「私たちは真選組です。まあ、この隊服を見れば一目瞭然ですかな!ハッハッハ!」
「は、はあ。」
「貴方が紗倉美和さんですよね?少しお話しがあるので、ちょっと来てもらってもいいですか!すみませんね〜ホント!こんなイカツイ野郎共で!」

警報。警報。

緊急事態発生である。
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