第10章 運命なんて信じたくないよ
「新八、お前何言って….…」
「昨日の夜……僕、斬りかかられたんですよ…!編笠を被った男に!」
「編笠ァ?それと美和がどう関係あるっていうんだよ」
「………」
「美和…?美和!」
「……っあ、!う、ううん……何でも…」
「それで、その男_____紗倉美和はどこにいる、って聞いたんです。そんな人は知りません、と嘘をついたら、そしたら_____」
*
「お兄ちゃん、嘘はいけないよ」
「嘘って_____本当に、そんな名前の方は知らないんです!貴方こそ誰なんですか!?」
「誰、か。俺の名前は_____いや、止めとこう。俺は、お嬢さんを探すために、こんな辺境の星までやってきた働き者の……ただのしがない天人さ」
*
「そうして、追いかけようとしたら斬りかかられて____」
「お前よくケガしなかったな」
「ほんと死ぬかと思いましたよ……」
昨晩のことを思い出したのか、額に冷や汗を浮かべる新八くん。大丈夫?と声をかけようとしたが喉が渇いて声が出ない。頭はガンガンするし、心臓の鼓動はどんどん大きく早くなる。
だって、あの人は、私の
「美和!」
「っは、はぁっ、」
どうしようもなく恐ろしかった。
彼が私を未だに探しているという事実。
そして_____
「坂田、さ」
彼を傷付けるかもしれない、ということが。