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【銀魂】万事屋のお隣さん。

第5章 過去も未来もすべて



「………っ、」

気が付いた所は、ただただ暗い倉庫のような所だった。一つだけある窓の外は暗い。当たり前だけどここは自分の家ではなく_____
…攫われたのか。攘夷浪士に。
その事実が分かって、ギリと奥歯を噛む。
私が家にいない事に気付くのは、早くて明日の朝だろう。総悟くんか私の家に迎えに来た際に、私がいない事に気付き探してくれるはずだ。
だからと言って、朝までこの薄暗い倉庫で待ってるほど私は呑気じゃないし馬鹿でもない。それに、いつ誘拐犯共が帰ってくるかも分からない。

私は椅子に座らされた状態で手を後ろに縛られており、幸運な事に足は自由だ。
_____これは、一晩かけて手首の縄を切るしかないな。
そうして私は縄と縄を擦り合わせ、一晩の長期戦を始めたのであった。



翌朝、沖田総悟はいつもように美和の家に向かっていた。近付くに連れて、なぜか大きい音がする。なにかあるのか、と駆け足で家に向かえば、彼も知っている坂田銀時が、美和の家のドアを叩いていた。

「おい!返事しろ!美和!!」
「旦那、どうかしたんですかィ」
「あいつ、とっくに起きてるはずだってのに出てこねーんだよ…くそ、しゃーねー」

ガン!と大きな音がした。銀時が木刀でドアの鍵を壊したのだ。その危ない手段で中に入る事に成功した2人は、彼女の名前を呼びながら家の中を探すが、美和の姿は無かった。

「もう出掛けたとか……そんなわけねーよな…」
「昨晩から帰ってないみてェです……シンクを使った痕跡がねェ。……クソッ!」
「おい!待て!!お前、どこに行くつもりだ!」

沖田は拳を握りしめて走り出そうとする。銀時の静止の声を振り切り走ろうとするが、腕を掴まれた。それを忌々しげに見つめ、銀時を睨む。

「……美和さんは、前から攘夷浪士の一団に狙われていたんでさァ。だから俺が警護についてたんです」
「でもお前は守れてねーじゃねーか!!」

銀時の怒鳴り声がビリビリと鼓膜を揺らす。面食らった沖田が彼の顔を睨むのをやめると、銀時も沖田の腕を離した。

「あーもう、お前はクビだな。クビ。これからはその護衛、俺が引き継ぐから安心していいぜ」
「旦那」
「探しに行くぞ」

2人は、歌舞伎町を駆け出した。
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