第2章 頭が痛い。
ちなつside
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なんだろう…。
とっても美味しそうな匂いがする……
それに、台所のほうから物音がして、人の気配がする……。
「んー……」
あれ?
私寝ちゃったのかな…?
重い瞼を開き、薄目で台所のほうを見る。
…見慣れた後ろ姿に、ダークブラウンの髪。
間違いない。
藍だ。
「どうして…っ、いるの……?」
精いっぱい声を振り絞るけど、思ったように声が出せない。
「起きてたのか、ちなつ…。ってお前、すごい汗だぞ?大丈夫か?」
そう言いながら心配そうに小さなお鍋を運んできた藍を見て、あぁ…そう言えば、藍がわざわざ電話をくれたんだったと、私は思い出した。
「……わかんない。だめかも…?」
汗でグッショリと湿ったパジャマを脱ぎたくて、でも思うように脱げない。
「……ん〜。ん〜〜ー…」
ダメだこりゃ。
「なにやってんのちなつ?バカなの?お前。」
口ではそう言いながらも、藍は私のパジャマの替えを洗面所にあるパジャマ用のかごから持ってきてくれた。
「ハイ、ばんざーーい。」
「バァンザ〜〜イ」ノ
藍が、目の前で万歳をしてくるから、それをマネる。
汗で重いパジャマを万歳して、藍がサッと取ってくれた。
だけど、、
取られて初めて気がついた。
「藍クン!!//
だめッ!!///」
ヤバい!//;;;
ブラも汗で濡れてるっ!!!///;;;
慌てて両手で、藍の目を目隠ししたけど、//;;
こっからどうすればいいのかな???//;;;
熱がある所為か、藍の目を隠す両腕がプルプルしてきちゃったよ〜〜!!/;;;
うわぁ〜ん。なんか泣きたい。//;;
「……大丈夫だよ。風邪引いて熱出してるちなつを、襲ったりなんかしねぇから。」
いつもよりちょっと低めの真剣な藍の声が、両手のすぐ向こう側から、私の両手に響く。
「…大事なちなつ。傷つけたくねぇし…//」
「…ありがとっ//」
「…煽んなよ、ばか。//」
「……ふぇ?//」