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【黒子のバスケ】ミルフィーユ【逆ハー】

第8章 海常高校





(カ、カントク……)

「ええ……どうして……」

「(片面なの?)」



涼太くんと火神くんが騒いでいるのを後ろに聞きながらやって来た海常の体育館。

てっきり全面でやると思っていたのに、目の前に見えるのは片面だけ。
もう半分では既に練習を始めていた。



「ったくどういうつもりだよ」

(あっ……火神くん)



この光景に彼も不満な様子。
それはもちろん私もで、向こうの監督が色々説明してきても全く納得出来なかった。


海常にとっては軽い調整
出ない部員には学ぶものがなさすぎる
トリプルスコアにならないように頼むよ


と、見た目スマートとは決して言えない監督がこう言うから……



「どうしよう……私今すっごくイラついてるんだけど……?」

「ナメやがって……!」



カントクや火神くんをはじめ、他のみんなまで表情が怖くなってしまった。


でもこればかりは私も冷静ではいられない。
ウチの部員をバカにされたみたいで。

だからつい頬を膨らませてしまった。



「お前……」

「??」
(火神くん……?)

「そうやって怒るんだな」



「いや、なんでもねぇ!」ってそっぽを向いた火神くんは、口を尖らせながら頭を掻いている。


私が怒ると何か問題でもあるのかな?と思って覗き込んでみても、また視線を逸らされてしまう。



「可愛い怒り方……って言いたいんじゃないのか?火神は」

「?!」
(かっ、可愛い……?!)

「なっ!ちげーですよ!伊月先輩!」

「俺はそう思ったけどな」



っていきなり間に入ってきた伊月先輩。

火神くんが凄く焦るから……それが「本当は可愛いと思いました」と言っているように見えて、私は顔が熱くなってしまった。


しかも先輩はサラリと言ってみせる。
それはそれで照れくさいけど……今は赤くなっている場合ではない。



「大丈夫っスよっち!俺ちゃんと出るから!ねっ!」

「……?」
(な、なんの話だろう……)

「涼太くんのプレーが見たいのに、肝心の俺が出ないかもって思ったから怒ってたんでしょっ?」

「?!」
(ち、違うよっ……!)



まったく涼太くんは……と、そう思う。


ユニフォームを着て張り切ってる涼太くんはやる気満々。
その姿を見ていると……私は自然とリラックスできた。


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