第6章 キセキの世代・黄瀬涼太
火神side
やっとキセキの世代と対面できて身体が騒ついたのに、黄瀬の行動のせいでぶち壊し。
違う意味で上がっていくテンションが今にも爆発しそうだった。
現れて早々何やってんだよ!
ウチのマネージャーに触んな!
ベタベタしすぎだ気持ち悪りぃ!
自分ではそう簡単に出来ない事を黄瀬がやってのけるから、それに対しても俺はイライラしているのかもしれない。
女を……を抱きしめるなんて俺には絶対無理だ。
「……火神くん、黄瀬くんにボール投げつけていいですか」
「いいですかじゃねぇよ!つか俺がやる!」
どうにかして怒りをぶつけたかった俺。
にくっ付く黄瀬に苛立つけど、折角なら少し手合わせしたい。
そう思っていた俺は、これをキッカケに申し込もうと黒子のナイスアイディアを奪い、そして実行した。
勿論に当たらないように気を付けながら。
「ごめんっち!嫌だろうけどちょっと降ろすっスよ!」
「?!」
(へっ……?きゃっ!)
「いったぁー……もうなんなんスか?いきなり」
ほぼ背後から投げ付けたのにも関わらず、黄瀬はいち早く気配を感じ取って片手でボールを受け止めた。
お陰で2人は離れ、は今のウチに黒子の側まで避難。
それを見て泣く黄瀬だが、俺からしたらどうでもいい事。
の事が解決したら後は黄瀬だけ。
もうやりたくてやりたくてしょうがなくなった。
「折角の再会中悪りぃな。ちょっとやってけよイケメン君」
「えー俺今日はっちと……」
「どんだけ好きなんだよテメェは!」
「そりゃもう表せないくらいっス!」
とりあえず良い顔して親指を立てないでほしいし、が困ってる事に気付けよと思う。
再び怒りのボルテージが上がっていくのを感じたけど、黄瀬は少し考えた後首を縦に振ってくれた。
その時「良いもの見せてくれたお礼」と言っていたが……意味がよくわからない。
けど黒子とはわかったようだ。
何故かこっちを心配そうに見てくる。
(よくわかんねぇけど早速やれるんだ、ぶっ倒してやるぜ!)