第6章 キセキの世代・黄瀬涼太
黄瀬side
一方俺は誠凛と練習試合だと聞いて舞い上がった。
黒子っちも誠凛だって思い出したし何より……愛しのっちがいるんだから当然だ。
話を聞いた日は本当にテンションあがって、主将である笠松先輩に飛び蹴りされてしまったけど……
どうしてもジッとしていられなくて、次の日俺は誠凛に挨拶しに行く事にした。
「おーここか誠凛!流石新設校、綺麗っスねー!」
この事はっちにも黒子っちにも秘密。
いきなりの登場にビックリさせたくて。
あわよくばっちが(久しぶりっ!)って抱きついてくれるかも……とか考えてはニヤつく。
周りから見たら完全に危ない人になっているかも。
(さーて、体育館はどっちっスかねー……聞いてみようかな)
「ちょっといいっスか?ここの体育館は、」
「きゃぁぁぁ!!黄瀬涼太よ!!」
「げっ」
もし仮に危険人物になっていても、俺はモデルでかっこいいからモテる。
でもモテすぎていつも困っているのだ。
自分にはっちしかいないのに……こうも周りに人集りが出来てしまっては、彼女に誤解されてしまう。
「ちょっ!体育館の場所を聞きたいだけなんスけどぉ!」
「サイン!サインくださいっ!」
「あーもう……わかったっス、じゃあ体育館がどこにあるか教えてくれたら書いてあげるっスよ」
俺は数え切れないくらいっちにフられているけど、彼女の事は絶対諦めたくなかった。
このイケメン黄瀬涼太をフる女の子。
何もかもパーフェクトな黄瀬涼太をフる女の子。
そんな子見たことなかった。
でも逆にそれで、っちは見た目だけで判断するような子じゃないんだなとわかった。
(いやでも俺性格もいい筈なんスけど……)
きっとっちは照れているだけ。
俺が眩しすぎて目が眩んでいるだけ。
そう解釈しないと毎日涙を流すハメになるだろう。
だってっち……全然俺に靡かないから。