第5章 「日本一にします」
(ぜ、全裸告白……!てかそれって捕まるんじゃ……!)
ってドギマギしながら考えている間に火神くんが言い終わり……
降旗くん達も言い終わり……
後はテツヤくんだけってなった時先生達がやって来て、何もしていない私までもが説教を受けた。
去年も同じ事をしたらしく、これを機に屋上は厳戒態勢をしかれる事となった。
「ったく……ちょっと大声出したくらいであんなに怒るかよ」
【結構怒鳴ってたよね……】
「未遂なのに僕も怒られました……」
「どあっ?!黒子お前も居たのかよ!」
そして今日も帰りに寄ったマジバーガーで、このお決まりのリアクションを頂戴した。
まだまだ慣れないらしい。
でも知り合って間もなければ仕方がない事だ。
私も慣れるまでに時間がかかったから……火神くんもこれから沢山彼と接していけば、徐々にビックリする事はなくなるだろう。
【それより屋上……立ち入り厳しくなったんだって】
「そうなのか?」
「はい。なのでもし入部出来なかったら……いきなり約束を果たせなくなります」
「それはねぇだろ。つか黒子……」
そういえばどれくらいでテツヤくんに慣れただろう。
私は1軍マネージャーだったから、1年の入部時から彼を知っていたわけじゃなかった。
「なんでお前は強豪校に行かなかったんだ?」
「それは……」
何故なら……テツヤくんは1軍じゃなかったから。
帝光バスケ部は人数が凄く多くて、マネージャーでさえ1軍2軍3軍と分かれていたくらいだったから……自分の担当の軍じゃないメンバーの事まではあまり把握してなかった。
「……」
(確かテツヤくんと初めて会ったのは……)
「……さん、さん」
「?!」
(な、何……?)
「何ボーッとしてんだよ」
(ご、ごめん……)
呼ばれるまで気付かなかった私は、どうやら昔を思い返すのに夢中になっていたようだ。
火神くんには「黒子と2人きりみたいな感じにさせんなよ!」と言われる始末。
「火神くん結構良い事言いましたよ。〝したいじゃねーよ、日本一にすんだよ〟」
「バッ!黙れ黒子ぉ!!」
(ふふっ!)
過去も大事だけど、私にとったら今のこの時間も大切。
テツヤくんと初めて会った時の事も思い返そうとしたけど、それはまた今度にしよう。