第5章 「日本一にします」
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「ふっふっふ、待っていたぞ」
そして問題の月曜日。
言われた通り屋上へ来てみると……何故かカントクがドヤ顔で仁王立ち。
おまけに今のセリフを言い出すものだから、ちょっとだけ苦笑してしまった。
しかも今日は朝礼がある日で、校庭に整列している生徒たちの姿が見下ろせる。
これは早いとこ受け取ってもらわないと遅れてしまう。
それは火神くんも同じ考えのようだ。
「つか後5分で朝礼じゃねぇか!さっさと受け取れよ」
「その前に一つだけ。やるからには全国目指してガチでやる事!」
全国……それも天辺を目指そうと誓った私からしたら、今の発言に対して(えっ?)としか思えなかった。
ついでに出しにきた降旗くん、河原くん、福田くんはどういう心境でいるかはわからないけど……
私とテツヤくん、それと火神くんはきっと同じ反応だったと思う。
「なんだよそれくらい……」
「あんたたちがどれくらいマジなのか確かめたいのよ。そこで……」
最初にも言ったけど今日は朝礼の日で、校庭には沢山の生徒達が並んで開始を待っている。
もう時間もない。
なのに……カントクはこの後とんでもない事を我々に要求してきた。
今からここで目標を叫べ。
もし達成出来なかったらまたここで全裸で告白だと。
「?!」
(ええっ?!で、でも私は……)
「はいいわよ。その代わりぃー……」
自分は叫べないから免除してくれたけど、急に私の耳元で話し始めたカントクの言葉を聞いてビックリした。
〝黒子くんの事、本当はどう思ってんのか後で教えてねっ!〟
どうと言われても、この間見せたメモの内容のままで何も変わらない。
だからカントクが望むような答えはあげられないのに……彼女はとても楽しみにしている様子だ。
(んー……困ったな……)
「あっ、そうそう。もし誤魔化したりしたらぁー……」
「??」
(し、したら……?)
「もここから全裸告白してもらうわよっ!」
「?!」
(えっ、ええっ?!)