第4章 幻の6人目
火神side
俺が声をかけたらビックリして
俺が食い始めたらそっぽ向いて
そんで何故か顔色が悪くなって
最終的にはなんか考え込む
実はの事を、鏡のように反射する窓越しに見ていた俺。
具合悪そうだなと気付いたのは、黒子が「大丈夫ですか?」と話しかけてからだけど……
声が出ない分、がとるリアクションが素直に自分の中に入ってくるような感じがした。
決して大げさに表現しているわけじゃない。
見た目普通に見えるけど、他の奴とはどこか違うんだ。
「なあ、キセキの世代ってのはどれぐらい強えんだ?」
全員食べ終わっても、まだ暗い雰囲気だったを無意識に気遣ったからかはわからない。
店を出て、共通の話題を提供した俺は横目での様子をチェックしていた。
だが共通といっても、俺はまだキセキの世代に会ったことがない。
けどなら同中だし、少しは食いついてくれるんじゃないかと思った。
(うーん……)
「じゃあ今俺がやったらどうなる?」
(そ、それは……ねぇ?テツヤくん……)
「瞬殺されます」
「……他に言い方ねぇのかよ黒子」
(ふふっ……!)
俺に全く力がないみたいに言われてムカついたのはほんの一瞬。
やっと笑ってくれたを見て……俺は自然とホッとした。
落ち込んでる顔より、笑ってる顔の方がいい。
なるべく関わらないようにって決めたのに……その笑顔を見たらそんなのどうでもよくなってくる。
(いやどうでもよくねぇよ!)
この時の俺はまだバスケが1番で……女とどっちを取るかと聞かれたら当然バスケを選ぶ。
もし両方大事になってしまっても、両立するなんて考えはまだなかったし、自分に出来るとは思えなかった。
だから自分で自分にツッコミを入れて冷静を保つ。
今はこうするしかない。
(でもさっきのはマジで可愛……)
「??」
(火神くんどうしたの……?)
「なっ!なんでもねぇよ!」
「??」
(そう……?)
(いや何考えてんだよ俺は!!女なんていらねぇよ!!)