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【黒子のバスケ】ミルフィーユ【逆ハー】

第4章 幻の6人目


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私はテツヤくんみたいに細かく人間観察をした事はないけど、火神くんの事は少しわかったような気がする。

今彼は私からの視線に一瞬でほっぺを赤くし、そして慌てて前を向いた。
なのになんか怒っているようにも見える。


これらのデータからきっと〝火神くんは照れてるのを隠してる〟と私は考えたのだが……どうだろうか。



(火神くんって案外怖い人じゃなかったな……)



私はてっきり〝常に睨みをきかせる不良みたいな男の子〟だと思ってた。
要するにオラオラ系な感じ。


でも火神くんは「顔色悪りぃぞ」って私を心配してくれたし、恥ずかしかったらちゃんと顔に出るし……

知り合ってまだ3日目だけど、以前怖い人だと思った事はもう取り消しても良さそうだ。



「!!」
(ねぇ2人とも……!)

「んだよ」

「なんですか?」

「!!」
(あっ!ちょっと待ってね……えーっと……)

【キセキの世代倒して、みんなで日本一になろうね!】



まだ仮入部期間なのに……一気に未来に向かって前進してしまった私の言葉に対して、2人は同意見だと力強く頷いてくれた。


「ああ!そいつら全員ぶっ倒す!!」
「僕は影だ。1人では無理でも力を合わせれば戦えます」


それぞれが今思っている事を述べていく中で、私は2人を見つめながらとても嬉しい気持ちに包まれていた。


火神くんがまたやる気を取り戻してくれた事。
テツヤくんが新しい光を見つけた事。


どっちも自分の事のように嬉しく感じる。



【なら私は全力でサポートするね!】

「はい、また一緒に頑張りましょう」

「不味いドリンク作んなよ」

「?!」
(失礼だな……!私経験者なのに……!)

「怒んなよ冗談だろ!」



どうして人の事に関してまで自分が舞い上がれるかって……それはもうわかってる。

私も彼らと同じで、新しい目標を見つける事が出来たからだ。


これからはこの2人のために……

いや、誠凛の為に……自分ができる事は精一杯やっていこう。
そう決意した夜となった。



第3章◆幻の6人目【終】


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