第3章 黒子は僕です。
火神side
そりゃビックリする。
しか居ないと思っていたのに、急に視界に黒子が入ってきたんだから。
仲良く2人きりでバニラシェイクを飲んでいるあたり、流石は同中というところか。
(こいつらが強豪校出身とか……どう頑張っても見えねぇ)
実は二人の出身校、帝光中については……今日の練習の時に他の奴から聞いていた。
キセキの世代と呼ばれる奴らがいて、そいつらは同学年で最強らしい。
ずっとアメリカでバスケをしていた俺は、性格の問題もあるかもしれないけど……熱く燃えるようなバスケをしたいと思ってる。
けど日本のバスケはアメリカとは違って全然身体が騒つかない。
本当に愕然とした。
「つかこの後ツラ貸せよ」
「嫌です」
「おい!!」
(ちょっと……!ここ店内だよ……!)
そのキセキの世代のチームにいた黒子がどれくらい強えのか確かめたい。
だから俺は誘った。
なのにサラリと断る黒子。
でも最終的に話に乗ってくれたから、ちょっと急いでハンバーガーを口に放り込む。
そうしてると、いきなり俺の肩を叩いてきたがこんな紙を見せてきた。
【喉に詰まっちゃうよ……?】
「ん……っ、別に平気だっつの」
【私のバニラシェイク飲む……?】
(はあ?!)
何を言い出すかと思えば……それじゃ間接キスになってしまう。
全然気付いてない様子のは、ニコッと微笑みながら俺にバニラシェイクを差し出してくる。
こんなもの受け取れるわけがない。
「い、いらねぇよ!」
(どうして……?)
「っ……首傾げんな!!」
やべ、すげぇ可愛い……とか思ってしまった自分。
こういう女が可愛く見える仕草は危険だ。
ハマりかねない。
今はまだバスケをしていたいから惚れるわけにはいかないと、自分に強く言い聞かせる俺は勢い任せにバーガーを口に突っ込んだ。
「ん!?んんっ!!!!!!」
(あっ!大変!)
「……そりゃ詰まりますよ、火神くん」
……当然結果こうなる。