第3章 黒子は僕です。
「ちょっと寄って行きませんか?」
それから私達は一緒に帰る事になって、途中マジバーガーに寄った。
テツヤくんは変わらずバニラシェイクを注文。
そして私もバニラシェイクを注文した。
(そういえばあの時から……)
初めてテツヤくんとマジバーガーに来た時、何を頼んだらいいかなと悩んでた私。
そんな時「一緒でいいですか?」と言われてから、ずっとバニラシェイクばかりを頼むようになった。
当時はまだ中学生。
二人きりだったから、今よりはもっとドキドキしていたのを覚えている。
(ふふんっ、おいしい)
「くすっ」
「??」
(な、なんだろう……)
「いえ。本当に美味しそうに飲みますね」
「!!」
(なんか恥ずかしい……っ)
彼の視線は私だけじゃなくて、周りにいる人達にも向けられていたから……ちょっと油断した。
テツヤくんは人間観察が趣味。
だから私もよく観察されていて、ズバリと言い当てられた事が何度もある。
例えば……
「恥ずかしいですか?瞬きが多いですよ」
(もう……っ)
……これだ。私が恥ずかしがる時。
その時は目線を外して、更には瞬きが多くなるらしい。
でも頬まで赤く染まっているみたいで、別に目だけを見なくてもわかると彼は前言っていた。
「すみません、少し意地悪しちゃいました」
(やめてよ……!)
「わかりました。もうしません」
だからテツヤくんには嘘つけない。
ついても直ぐバレてしまう。
と言っても、私が嘘をつく時は決まって自分が何かを我慢する時くらいだ。
辛い
悲しい
苦しい
周りに迷惑をかけたくないと思う私はいつも言えなくて……
1人で膝を抱えてしまうんだ。