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【黒子のバスケ】ミルフィーユ【逆ハー】

第3章 黒子は僕です。





「……!」



私は嬉しすぎて、声が出ないのに口を動かして彼を呼んだ。
「テツヤくん!」と名前を呼んだ。


絶対聞こえていない筈なのに、テツヤくんはこっちを向いて私に微笑んでくれる。

そして更に口パクで「後で話しましょう」と言ってくれた。



(うわぁぁ……!)



今の私はまるで恋する女のよう。
彼に対して特別な感情はないのに、鼓動がうるさく高鳴るのだ。


早く話したい
テツヤくんと話したい


頭の中はこれでいっぱいで……正直この後の練習はあまり見ていなかった。



(テツヤくん!)

「お久しぶりです、さん」

(うんっ!!)



そして練習後、やっと彼と対面できて舞い上がる私。
にやけ顔ともとれるであろう笑みでサラサラと紙に言葉を連ねる。


そんな私に「緩みすぎですよ」と、落ち着く声なのにツッコミを入れてくるテツヤくん。

けどそれすら嬉しいと感じてしまう私は……


決してMではないと言っておく。



【本当に久しぶりだね!まさか同じ学校だなんて思ってなかった】

「言ってなかったですから」

【へへっ、そうだね】

「メール返さなくてすみません。でも元気そうでよかったです」

(ありがとう)

「これからはちゃんと返します」

(本当……?ありがとう!)

「ありがとうばっかですよ」



困ったように笑うテツヤくんは……なんだか可愛い。
さつきが惚れてしまうのもわかる気がする。


それからこうして話していると……なんだか昔に戻ったような感じだ。
みんなが力を合わせてプレーしていたあの頃に。


またその時のように、全員楽しくバスケが出来たらいいなと思う。


難しいかもしれないけど、いつかきっと叶う日が来ると私は信じている。

あの頃のみんなは今より輝いていたし、なにより……


とても楽しかった。


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