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【黒子のバスケ】ミルフィーユ【逆ハー】

第3章 黒子は僕です。





「シャツを脱げ!」



……と感動に浸っていたのも束の間。

全員集まってカントクがいきなり言い出したこの一言に、部員だけでなく私までもが目を丸くした。


けどそれは身体を視て、個人個人の今の状態を把握する為のもの。

一瞬カントクはそういう趣味なのかなと思ってしまった私は恥ずかしさを覚えた。



(うわ……火神くん凄い……)



中でも目を引いたのは火神くん。
キセキの世代と呼ばれたあの人達と変わらないくらい鍛え上げられた身体に、私は魅入ってしまった。


でも見ているのは、上半身とはいえ男の裸である。

やはり恥ずかしいので……初めて会った時のようにジッと見つめる事は出来なかった。



「黒子くんいるー?」

「!!」
(えっ、黒子?テツヤくんがいるの……?)



1人で頬を染めていた私だが黒子と聞いて驚いた。
まさかテツヤくんが同じ学校だったなんて知らなかったから。


もし居るならどこにいるんだろうと、カントクと一緒になって辺りを見渡してみたけど視界に入らない。

まさかね、黒子違いかな……と一度は思ったけど、彼は影が薄い事を思い出してまた目で探してみる。



(やっぱり居ない……おかしいな、テツヤくんの薄さには慣れてた筈なのに……)



それでも見つけられなくて、私はため息をついた。
会いたいと思ったのに居ないんじゃ話にならない。


慣れがなくなってしまったのはきっと……中3の終わり頃からあまり話さなくなったからだろう。

それまではテツヤくんが何処に居ようと見つけられた。
……人混みに紛れこまれてしまうと流石に難しかったけど。



「今日は休みかな?よーしじゃあ練習始、」

「あの、すみません……黒子は僕です」

「え?きゃあああっ!!」

「!!」
(テツヤくん!)



でも彼はちゃんとここに居た。
ひょっこり現れたテツヤくんを見て、懐かしさから私の胸はドキドキして止まらない。


綺麗な水色の髪、相変わらずの敬語。
正しくテツヤくんだ。


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