第6章 星をさがしに(国見&金田一)
こういうのに本気になる性格じゃないんだけど、子供の時からの習慣というものは恐ろしい。
ここに来ると必ずやる階段かけっこは、負けたら何故か悔しいんだ。
凪沙の前だからなんだろうな。という自覚はあるが、それはこいつもきっと同じだ。
今のところ勝率は半々くらいだけど、
いつも金田一は凪沙の荷物を持っているから、
それを考えたら金田一の方が分がいいか。
バレーでも、体力だったらこいつの方が上だしな。
俺も金田一も2段飛ばしで駆け上っていく。
7割程上ったところで、凪沙の背中を捕まえる。
「ふたりとも速いよ……!」
あっというまに彼女を追い抜いて、俺たちはひたすら天辺を目指す。